ある朝、おじいさんが散歩をしていると、目の前に、着物を着て、手鞠をついている女の子を見つけた。
特に用事があったわけでもないおじいさんは、その女の子に話し掛けることにした。
「お譲ちゃん、こんなところで何をやっているの?」
しかし、女の子は返事をしない。
おじいさんは、別の質問をすることにした。
「喋れないの?」
女の子は、こくりとうなずいて、おじいさんの方を見た。
それを見たおじいさんは、再度、少女に語り掛ける。
「それじゃあ、今からおじいちゃんが質問をするから、『はい』だったら1回、『いいえ』だったら2回、その鞠をついてね」
おじいさんは、続けざまに質問をする。
「君は、この世の人ではないよね?」

ポーン

「君は、病気か何かで死んでしまったの?」

ポーンポーン

「それじゃあ、どうして?」
おじいさんがそう言ったとほぼ同時に、少女の目つきが変わる。
そして、こう叫んだ。




「お前に殺されたんだよぉぉぉぉ!!」



















…その日の午前中、血塗れになったおじいさんの遺体が発見されたという。